隠れ糖尿病をご存知ですか?
糖尿病は自覚症状がなくひっそりと進行していき、自覚症状が出た時にはかなり進行してしまっています。 実は多い隠れ糖尿病、隠れ糖尿病は普段の検査では発覚しません。 定期的な検査をお勧めします。
糖尿病とブドウ糖の関係
まず糖尿病を知るためにはブドウ糖との関わりを知ることが重要です。 ブドウ糖は細胞の活動に必要な栄養素で、全身の細胞はブドウ糖の供給を受け続けなければ活動が止まってしまいます。
食事により摂取した炭水化物が体内でブドウ糖に分解され、血液により全身へ運ばれます。 そして、すい臓で作り出される「インスリン」という物質の働きにより細胞に取り込まれるのです。
ポイントは
ブドウ糖が細胞の活動に必要
インスリンがなければブドウ糖は細胞に取り込まれない
ということです。
糖尿病とは
すい臓で作り出されるインスリンが不足することで細胞が血液中のブドウ糖を吸収できなくなり 血液中のブドウ糖濃度( = 血糖値)が高くなります。
この「血糖値が高い状態」が続くのが糖尿病です。血液中の余ったブドウ糖が尿として排出されるのです。
糖尿病は1型糖尿病、2型糖尿病、遺伝子異常、妊娠糖尿病といった種類に分けられます。
1型糖尿病
ブドウ糖を体内に取り込むときに必要なインスリンの分泌量が減る
2型糖尿病
インスリンの働きが悪いためにブドウ糖がうまく取りこ込めない
遺伝子異常
遺伝子異常による糖尿病。稀なケース
妊娠糖尿病
妊娠中に発症する糖尿病。太り気味の方や高齢の方は注意が必要
上記4種類の内、特に1型糖尿病と2型糖尿病が多いです。
また、糖尿病は完治が難しく、治療により一時的に血糖値が下がっても油断するとすぐにまた血糖値が上昇してしまいます。 しかし、治療により巧く血糖値を抑制出来さえすれば合併症を誘発することもなく通常の生活が送れます。
糖尿病の治療をせず放置しておくと、失明や神経障害、脳梗塞や心筋梗塞など取り返しの付かない病気を誘発します。 糖尿病は自覚症状がなく気付かない場合がほとんどですので、検査を定期的に行うことが大切です。
隠れ糖尿病(糖尿病予備軍)とは
病院や健康診断では空腹時の血糖値を測定します。これは糖尿病の場合、空腹時の血糖値も高いため診断が可能だからです。
しかし、空腹時の血糖値は正常ですが、食後のみ血糖値が異常上昇するケースがあります。食後のみ血糖値が上昇するため、空腹時の健康診断では異常が見られません。
これが隠れ糖尿病(糖尿病予備軍)です。
隠れ糖尿病の検査をするには、食後の血糖値を計測する必要があります。
糖尿病の診断基準
糖尿病の検査は採血による血糖値の測定を行います。
血糖値は食事の時間帯やストレスなどにより大きく異なる為、一回目の検査で陽性だった場合には後日2回目の検査を行います。 2回の検査どちらとも血糖値が高いようであれば糖尿病と診断されます。
糖尿病と診断される基準となる血糖値の数字は
・ 食後血糖値 : 200mg/dL 以上
・ 空腹時血糖値 : 126mg/dL 以上
となります。
ちなみに正常値は
・ 食後血糖値 : 140mg/dL 以下
・ 空腹時血糖値 : 110mg/dL 以下
です。
糖尿病の症状
糖尿病は自覚症状がなく気付かない場合がほとんどです。 糖尿病の治療をせず放置しておくと、失明や神経障害、脳梗塞や心筋梗塞など取り返しの付かない病気を誘発します。
逆に、自覚症状がある場合は糖尿病がかなり進行している証拠です。
[糖尿病の自覚症状]
・異常に喉が渇く
・尿量が多く、夜中に何度もトイレに起きる
・慢性的に体がだるく疲れやすい
・急激に体重が減少した
[糖尿病が進行することで誘発する合併症]
・網膜症による視力の低下
・神経障害による手足のしびれや痛み、顔面神経麻痺
・腎症による顔や足のむくみ、尿たんぱく
上述したように、これらの自覚症状がある場合は糖尿病がかなり進行していると言えます。早急に医療機関で検査・治療を受けましょう。
糖尿病の検査
ブドウ糖負荷試験検査
75gのブドウ糖液を飲んで、その後2時間の血糖値の変化を調べる検査。
隠れ糖尿病の発見に有効。
[正常値] ; 140mg/dL 未満
[糖尿病] : 200mg/dL 以上
尿糖検査
起床直後の尿を採取し尿中の糖分量を測定する検査。
血液検査よりは精度は低いとされる。
自宅で検査
とにかく一度気軽に検査をしたいという方は、自宅で出来る検査キットがありますのでお試しください。
糖尿病の治療
糖尿病の治療には、食事療法・運動療法と必要に応じて薬物療法を用います。
1型糖尿病の場合インスリン注射などの薬物療法を用いますが、2型糖尿病の場合基本的に食事療法・運動療法で症状は確実に改善されます。
カロリー計算をしながら食事の支度をするのは非常に大変で難しいのですが、食事が一番重要になってきますので栄養教室や講習会などを利用してしっかり勉強して下さい。
糖尿病の患者さん用にカロリー計算された食事を定期宅配してくれるサービスもあります。上手く利用するとよいでしょう。